コラム

  タイ国法令違反行為で会社経営を行う日系中小企業の現実

 タイ国内に於ける日系企業と日本人の社会で起きる様々なタイ法律問題の内、今回は日系企業のタイ国内に於ける諸問題と現状の一部をタイ国法律上の観点から申上げます。
 タイでは外国人就労法及び外国企業規制法などの法律でタイ企業保護、またはタイ人就労保
護などの観点から様々な規制が法律で定められています、今回はタイ国内で普段顕著に見られ
るタイ国法律違反行為の実態をご説明します。

1)タイ国法律による外国企業規制、外国人就労規制の違反行為。
このタイ国が定める法令に抵触する多くの会社や日本人就労者の実態は以下の状況が多く見られます。
設立する会社をタイ人名義で登記を行い、そのタイ人代表役員は名前のみで現実には会社運営
は日本人が全て行っている、また中には日本人代表役員の名義で法令に違反する行為、会社営
業を行っている者も見られるが、前者はタイ人名義は名義のみで実態は日本人の経営で有り、広
告には日本人会社代表、日本人社員も実名で掲載して事業展開を行っている会社も見受けられる。
後者の外国人企業規制法に抵触する日本人代表の会社は元からタイ国法律違反の行為で有り
検挙されるとその会社はタイの法律違反行為として処置される事になる、そしてそこに働く日本人
社員も外国人就労法違反となり労働許可証やVisa取消しとなり、更に会社の不法雇用への法的
罰則が科せられる事になる。
重い罰則を科せられる場合は国外退去処分となり、今後の労働許可申請や企業代表者名の会
社申請、Visa取得などのへ大きな障害となる場合がある。

2)タイ法律の違反行為となる企業活動ならびに日本人が就労を行うなどの状況が多く見られる業種。
人材派遣業/日本人弁護士/不動産売買業/理髪師、美容師/運送/新聞書籍出版業

3)タイ周辺国民の不法就労が顕著にみられる例。
ミャンマー/カンボデイア/ベトナム/ラオスなどのタイ密入国就労の実態。
密入国でタイ入国許可や労動許可など一切取得せずタイで就労して居る場合が多く見られる、
最近はタイ滞在許可を収める料金に合わせて期限付き滞在を臨時措置で発給して居る状況が見られるがこれはパスポートとは関係なく行われる臨時滞在許可で、就労認可とは異なる。
労働許可は受けないまま滞在許可のみで就労する周辺国民が大変多く見られるが一番顕著なも
のはバンコク南隣のマハーチャイ地区のタイ海産物の一大加工基地工場の殆どの工員はミャン
マーからの不法入国で有り不法就労で有る、それらを取締るとタイの海産物加工は壊滅するほど
不法就労タイ密入国の勤労者が多い、それらが原因でミャンマー人の摘発は余り行われて居な
いのが現状で有る。
またその他の職種は近隣諸国、山岳民族などの働く風俗/飲食店/女中/建設作業員などに
多く見られ、前述のマハ-チャイ地区の海産物加工業界と同様、ビルの建築はこれらのミャンマ
ー人が居ないと、もはやタイではビルは建たないのが現状で有ると云われている。

4)日系企業の法律違反によるトラブル。
タイ国内の日本人企業や其処に勤務する日本人のトラブルが頻繁に起きて居るのが現状で、驚く
事に自分の会社がタイ国法律に違反して居る事すら知らずに企業経営をして居たり労働許可証
の取得をしたりしているケースが見受けられる。

外国人、外国企業に禁止されている業種をご紹介します。
 ・新聞書籍出版、ラジオ、TV関連運営
 ・農業、農園
 ・畜産業
 ・林業、林産、製材
 ・漁業
 ・タイ自然薬その他製造
 ・タイ伝統武術品売買
 ・宗教、仏教その他関連物製造
 ・不動産売買
外国人就業規制法と外国企業規制法への抵触行為の一部を簡単にご紹介しました。
この他、禁止ではなく許認可申請で認定を受けて行う業種、、、商務省大臣認可~13業種、商務
省局長認可の業種、、、29業種等が有ります。

企業も個人もタイ国の法律や慣習順守で実りある明るい希望に満ちたタイ生活
を望みます。
次回は日系企業のタイ進出、活動のなかで最近起きる会社と日本人社員の雇
用関連争議の現状をお伝えします。